悪いツインテールと基本のキ
前回の受講の際の女の子。
初日に隣に座ったのだが、リクルートスーツを来た新人OLちゃん。
会社近くの支校に通っていたが、製図コースは日曜日がメインなので、自宅近くのこの校
に転校してきたという。
イマドキの子でやる気ゼロ。
最初の受講。道具セット購入の際に「高いので会社に相談してきます」と言い、結局その際に製図セットを申し込みはぐり自分で揃えたらしい。そらそうよ。突然「セットで3万」といわれたら若い子は引くもの。私は「製図板っていくらすんだよ」と調べていたのでだいたいの把握はしていたけど…。
シャーペンも使い慣れたキャラものを使い、定規も学校文具の小さな三角定規を使ってた。見かねたダメ講師が「買え!」というが、そうそう買えるわけもない。オリジナル定規で3000円。若い子にしたら大金。だったら貸してあげりゃいいものを。
ただ大声で再三言ってるだけなので、その子は「高いから買えない」と言った。
周囲のオヂサンが「使ってないのでこのシャーペンをあげるよ」とプレゼントしていたが、そのオヂサンが生理的に受け付けなかったのか、その次には諦めもついたのか自分で買っていたようだが。
ダメ講師に言わせると、とにかくやる気がないという。
宿題は全く提出しない。やった課題は全然書けてない。
何度注意してもラインはか細く、非常に時間がかかる。
普段から体調もすぐれないようで、青白くお通夜のような顔をしていた。
「ダメだこりゃ」と講師が言っていた。
しかし夏休みで突然変わってきた。
会社主催の3日間合宿でひたすら製図を書き、すごく書けるようになったという。
講師は「普段やってないから」と失笑していたが…私は「あ、違うな」と思った。
おおよそその合宿で、きちんと、基本・コツ・ツボを抑えてもらったのだろう。
若い子にありがちな「やればできる」とか「やる気スイッチ」とかそうゆう類。
ちょっとしたことなのだけどども、受講生を理解し、そこを指摘し、伸ばしてやるだけ。
本当は教師・講師の仕事。「2か月で受かる」ということはこうゆうことかと。
結局その子は「会社のカリキュラムの方に行くので、追い込みはもうきません」といっていつの間にか来なくなった。その後どうなったかは知らない。
基礎・基本…の キ。
誰だって地味なことより華々しいことや、時間を考えると先のことをやりたいけど、大切なこと、順番というものがある。前回学校で教えなかったこと。基本。
これを教えないおかげで、多くの人が苦しんだはず。
1枚何時間もかかるトレース。
基本がなってないもの、いくらやっても追い付かなかった。
私は上記の「悪いツインテールの合宿」というのがすごく羨ましかった。
「今年の夏、その合宿はおぢさんでも行けるのか?」と思い、調べかけたがw。
まだまだ3分タイムトライアル。
ズルをせず、動画と全く同じように真似て…3分15秒~半程度の中から脱することができなかった。何度もお手本動画をみるが…最後のツメは「ラインを書く際の速度」だったようだ。
しっかり自信をもって書く。
ココに書くと決めたなら、線を貫き通す。
この辺は性格も出るところなのかもしれない。
大それたことではないけども…言葉に表すことこんな感じ。
この手の教科書ならどこにでも書いてあるフレーズかもしれない。
でも。文章で一文書かれるのと、体感するのとは印象が全く違う。
1本1本の書くスピードを考えて、ためらいもなく書いていくと、2分50秒台が出るようになった。
「完コピを目指し、猿真似だからアタリマエなことなのだけども」
でも、そのアタリマエがなかなか難しい。
もうちょっと詰められるような…そんな気もする。